2022年11月28日

ありふれた夕暮れ

ありふれた夕暮れ
 
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 ■夕ぐれ 

 「夕焼小焼」
 うたいやめ、
 ふっとだまった私たち。

 誰もかえろといわないが。

 お家の灯がおもわれる、
 おかずの匂いもおもわれる。

 「かえろがなくからかァえろ。」
 たれかひとこと言ったなら
 みんなぱらぱらかえるのよ、

 けれどももっと大声で
 さわいでみたい気もするし、
 草山、小山、日のくれは、
 なぜかさみしい風がふく。
 
      (金子みすゞ)
 

 
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 夕方に散歩。猫のレオに昨日ペットクリニックの先生に貰ってきた薬を飲ませて少し様子をみていたらもうお昼に。少し部屋を掃除していたらもう3時過ぎ。公園に行って今日が日曜なのを想いだす。もう…と言うか、あっという間にまた日曜日がやって来る。

 なんか週の中身が頭の中から抜け落ちているみたいな感覚。何にもしなかったわけではなくて、結構動いた週のつもりだったんだけど…。少し気落ちしながら歩く。そんな気持ちにも夕暮れは優しい。しみじみと散歩。
 
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 *お散歩カメラで手持ちなので大分ノイズがでていますが、腕と知識がイマイチなのでご容赦を!
posted by gillman at 09:56| Comment(14) | gillman*s park | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年11月21日

変えるべきもの、守るべきもの

変えるべきもの、守るべきもの
 
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 日本語学校の活動は長い期間ZOOMによるオンラインのセッションで対応していたけど、ぼくもやっと先月から学校内で対面しての活動を再開した。と言っても通勤ラッシュに合うのは勘弁なので以前よりは短い時間で切り上げ夕方のラッシュは避けている。

 という訳で久々に山手線に乗ることになったのだけど、通勤時間帯は過ぎているので電車の中はかなりすいている。それでも乗客の100%がマスクをしているというのは如何にも日本らしい。

 ぼくの前の席には乗客が4人。そこへ中年の男性が加わって5人になった。目の前の男性はぼくが座った時から空いている隣の席に倒れ掛かるようにしてぐっすり寝ている。後から来た男性はそれを少し避けるようにして座った。
 

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 一番右の男性は自分の財布を覗いてそのうちお札を取り出して数え始めた。おいおい、大丈夫か、なんか物騒だなぁ。東京という大都会の真ん中を走る電車の中で、混んではいないと言っても、熟睡したり札勘定するような国も国民も世界中探してもないだろうな。

 喜ぶべきなのか、はたまた憂えるべきなのか。日本に来た留学生も日本の路上の綺麗さと治安の良さは異口同音に認めるのだけれど、でもそれに安住して、それこそその上に惰眠を貪っていては、その宝物も早晩失われてしまうような気がする。

 自分の日本語教育の活動や近所の公園散歩で頻繁に耳にする外国語の多さでも、国際化の波が身の回りにヒタヒタと近づいているのを実感している。高齢化と人口減少などでこのままでは立ちいかない日本。それはインバウンドとかいう動きとは別の日常の生活圏への波なのだ。うちの町内の今度の町会長はインドの人だとか、PTAの会長が中国の人とか、そういう時代が目の前に迫っている。

 空気を読んだり、行間を読んだり、以心伝心的なコミュニケーションにどっぷりと浸かっていたぼくらの世界から、多様な価値観を共有して、時には摩擦も乗り越えて前に進んでゆかなければならない時代が来ている。大丈夫かな。覚悟と期待を持って、何は変えてゆくべきか、何は守ってゆくべきかぼくら一人一人が今から考え選んでゆかなければならない時代になっているような気がする。
 

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posted by gillman at 10:28| Comment(3) | 新隠居主義 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年11月15日

蜻蛉

蜻蛉
 
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 残念なことに公園で見かけるトンボが種類も数も年々少なくなっている気がする。ぼくは子供の頃からトンボが大好きで、小さな頃この辺りで見かけたオニヤンマギンヤンマはぼくらの英雄だった。ホバリングなんていう言葉はその頃は知らなかったけれど、目の前の空中で静止して次の瞬間にはあっという間に他の場所に居る、まるで忍者みたいだった。そのオニヤンマにはもう長いこと出会っていないのが寂しい。

 トンボというのはもとは「飛ぶ棒」というのが変化してトンボになったらしいけれど、漢字で書くと「蜻蛉」で「セイレイ」とも読むが、他にも「カゲロウ」や「アキツ」とも読むらしい。アキツは古い日本語で神話では日本列島を「アキツ島」と呼ぶほどトンボがたくさん飛んでいたのかもしれない。カゲロウはトンボとは違う昆虫で今では漢字で書く場合には「蜉蝣」という漢字の方を使うことの方が多いみたいだ。

 色々な国の言葉で昆虫などの名前をみると、その文化がその虫をどう見ているかが想像できて面白い。ぼくは特にドイツ語のトンボの単語が好きだ。ドイツ語ではトンボのことはWasserjungfer(ヴァッサーユングファー)で意味は「水辺の乙女」という意味。森の中の水辺を優雅に動き回る妖精みたいな可愛い名前だなぁ。

 そう言えばピーターパンに登場する妖精のティンカー・ベル(Tinker Bell)はトンボそっくりの飛び方でホバリングもする。ドイツ語でのトンボにはLibelle(リベッレ)という言い方もあるけどぼくはWasserjungferの方が好きだ。

 英語ではトンボはdragonflyで「竜みたいなハエ」と解説しているものもあるけど、確かにflyはハエだけれど~flyという昆虫はfirefly(ホタル)やbutterfly(蝶)など何種類か居て、蝶などはどう見てもハエには見えないので~flyはハエというより飛び回るもの、くらいの意味だろうと思う。

 firefly=fire+flyがホタルなのは何となく理解できるけど、じゃあbutterfly=butter+flyとなると、あのバターなのかな、とすると何故バターなのかなと調べてみたら面白いことが分かった。諸説あるらしいが、ヨーロッパの古い魔女伝説が由来というのが有力だ。古い言い伝えでは魔女は蝶々に化けて農家のバターやクリーム(乳脂)を舐めて回るというのがあって、それが由来というものだ。

 そう言われてみると、ドイツ語では蝶はSchmetterling(シュメッタリング)というのだけれど、その意味はSchmetter(Schmetten)=クリーム+ling=~という性質をもつ生き物、ということで「クリームを舐めるヤツ」みたいな感じで、それは英語のbutterflyと同じではないか。恐らく同じ伝説が起源になっているのだろうと思う。トンボから蝶々へと大分脱線してしまったけれど…。
 
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and also...
 


*上のトンボの可愛いアニメーションGIFはアメリカのフリー素材のホームページからのものです。ここには多くのアニメーションGIFが載っており見ているだけでも楽しいです。使用する時のお願いとしてこのサービスのURLを紹介するということですので、以下に紹介しておきます。
Thousands of animated gifs, images, pictures & animations: 100% FREE! (animatedimages.org)
posted by gillman at 19:24| Comment(5) | gillman*s park | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年11月13日

断捨離 デジタル写真

断捨離 デジタル写真

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 この間から断捨離の一環として昔のネガフィルムを整理して必要なものだけスキャンしているのだけれどその作業はまだ続いている。というより単調な作業に少し飽きてしまってここのところはデジタル写真のファイルを整理している。と言ってもデジカメの画像はネガフィルムのように場所をとる訳ではないので他の断捨離のように見かけ上モノが減るという訳ではない。

 高校や大学の時は自宅に暗室も作って写真で遊んでいたけれど、勤め始めてからは仕事に追われて写真どころではなかった。やっとリタイアしてまた写真をやりたくなったのだけれど、その頃はもちろんまだ黎明期だが既にデジタル時代の到来が見えていた。というわけで写真を再開してからは全てデジタルということにした。

 デジタルカメラを使い始めて25年くらいになるのだけれど、写真ファイルは一応時系列ファイルにしてはある。何を撮ったかはおぼろげながら頭に入っているが、もう一度整理して気に入った写真などをレーティングしておきたいと思って全てLightroom Classicに取り込んで時間がある時に覗いている。

 枚数は風景なども含めて日常のものが10万枚、公園を撮ったものが6万枚くらいで25年という期間にしては思ったよりは少ないけれど、それでも全て目を通すのは大変そうだ。すっかり忘れていた写真や、ああ、あの頃はこういう撮り方をしていたんだと良い振り返りにはなる。まぁ、同時にちっともうまくなっていないこともばれてしまうけど…。

 これは2005年頃。初代から使っているSony Cybershot DSC-Fシリーズで撮った写真で35万画素程度だから画像も荒く、平面的ではあるが好きな写真だ。世の中ではまだデジタルカメラなんて特にプロの世界では使い物にならないし、これからもそうだろうという人が多かった。でも、それでも公園で撮るのが楽しかった。その楽しさは今でも続いている。


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 *このカメラのレンズがとても気に入っていました。この一世代前のSONYのデジカメはMavicaと言ってフロッピーディスクに画像を記録するものでした。塗り絵のような画像でした。しかし秋葉原で初めてそのカメラに触れた時、これからはデジタルカメラの時代が来るだろうと予感しました。でも、フィルムカメラはそれはそれで大切に思っています。音楽におけるLPレコードもそうですが、優劣よりもメディアの多様性という観点から存続して欲しいとは思っています。

and also... 
posted by gillman at 11:27| Comment(8) | gillman*s park | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年11月08日

月食の宵

月食の宵 

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 今日は天気が良い。適度に雲がある秋空が気持ちいい。昨日の皆既月食は家の玄関の前に出て二度ほど見たけれど、SNSに載った色んな写真を見ていると大勢の人が月食の変化の写真を撮ったみたいだ。東京だけでなくてソウルの友達も望遠レンズを並べて写真を撮っている韓国の様子をアップしていた。ぼくがスマホなんかで撮っていたのが申し訳ない感じがして…。カメラ友達も結構色んな場所から撮っていたけど、ぼくにはそういう根性と言うか情熱みたいなものがないのかもしれない。

 言い訳めいているけど、ぼく自身は皆既月食という自然現象というよりは、それによって日常に生まれる色々な情景といったものの方に関心がある。昨晩、月食を見てみようと家の前の路地に出たら煌々と月が輝いている。路地では前の家の旦那が一眼鏡で一生懸命月を覗いている。聞けば今日白内障の手術をしたばかりというのに…。パジャマの上にドテラを着て熱心なことだなぁ。でも、その好奇心と熱心さが狭い路地の中で光を放っていたので思わずスマホで撮らせてもらった。月が欠け始めていた。

 ■月蝕の話などして星の妻 (正岡子規)
 
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posted by gillman at 22:15| Comment(8) | 新隠居主義 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする