2023年03月30日

年年の桜

年年の桜
 
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 五年くらい前に股関節のトラブルや筋肉の低下などで殆ど歩けなくなっていたのをリハビリで二年かけてやっと人並みに歩けるようになったのに、この三年間のコロナのお籠りですっかり逆戻りして二ケ月ほど前から痛みで普通に歩けなくなってしまった。というわけで、一からやり直しで今は理学療法士によるリハビリとスポーツジムでのプール歩行などで復調に励んでいる。

 気が付いたらもう半月以上も公園散歩に行っていない。一度カミさんに付き添われて公園に行ったけれど途中でギブアップ。もう少しリハビリしてからでないと…、と思い知らされた。昨日医者の帰りに公園の脇を車で通ったらもうソメイヨシノも満開みたいだ。明日足の調子が良ければ公園の桜の所まで行ってみようと思っているけれど、朝起きてみなければ分からない。

 お散歩カメラもほとんど触っていなかったけれど、今見てみたら河津桜の咲いたころの写真が整理しないでそのままになっていた。ちょっと前なのにもう何か凄い昔の過ぎ去っていった春のような感じがする。この歳になると年年の桜は特別な意味を持っている。その年も生き延びた証みたいな…。

 さまざまの事 おもひ出す 桜かな (松尾芭蕉)
 

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posted by gillman at 13:49| Comment(15) | gillman*s park | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年03月11日

復興の道筋

復興の道筋
 
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 大震災の翌年の冬、復興ファンドの立ち上げで南三陸町を訪れた時目にした光景は今でも忘れることが出来ない。アパートの屋上に取り残された車、根こそぎ何もなくなってしまった住宅地そしてスケルトンの廃墟と化した防災センターなど…。

 2011年3月11日の午後3時ちょっと前、ぼくは東京の自宅の二階にいたのだけれどいきなり激しい揺れに襲われ立っていられなくなってデスクの下に潜り込んだ。すぐ目の前のテレビが棚から床に落ちて凄い音を立てる。母とカミさんは一階に居たのだけれど降りてゆくことができない。揺れはかなり長く続いた。揺れが収まってやっと一階に降りるとまた大きな余震がやってきた。

 少し気を落ち着けてテレビを観ると、東北が震源地らしいという事がわかり時間とともに津波の生々しい映像が送られてくる。その中で街が津波に飲まれてゆく最も恐ろしい光景に被せて「南三陸町全滅か」というアナウンスが耳に入ってきた。南三陸町という地名を聴いてカミさんが昔から馴染みのある南三陸町の鮮魚店の事を思い出させてくれた。母の時代からそのお店からは季節ごとにワカメなどの海産物を取り寄せていたのですぐにその店の事が心配になった。

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 その店の社長や家族の無事を知ったのは震災から少し時間が経って店のブログにそのことが載ってからだった。関係者一同は無事だったが、店舗も工場もそして自宅も全て津波に流されたという意味では悲惨な状況であることは変わらなかった。

 翌年の春、その鮮魚店も参加する組合方式の復興ファンドが立ち上がることになったので何かのお手伝いが出来ないかと現地に行き、社長にもお目にかかったのだけれど、実際に行ってみると思ってはいたが一年近くたっても想像以上の津波の被害規模を目にして呆然となった。

 あの大震災から12年の間その鮮魚店の社長も中心人物の一人になって懸命に復興に取り組んできたお陰で形としては戻りつつあると思うが、復興ファンドの経過を見ていると必ずしも順調ではなく快復できずにいる企業もあるようで、その道は決して平たんではない。

 悔やまれるのは復興オリンピックと銘打ちながら結果的には被災地の復興資材の調達を遅らせ、世間の目を逸らすようにして行われた東京オリンピックが今になってさらに金まみれ、利権まみれのものだったことが露呈したことだ。さらに追い打ちをかけるように復興税の一部を防衛費に廻そうなどという目論見まで囁かれている。

 東北大震災の復興のありようは、これから首都圏直下型地震や南海トラフ地震など巨大な地雷の上に住んでいるようなぼくら全国民にとっても他人ごとではない。巨大地震からの復興というスキームを確立しておくことはこれからの日本を考えるうえでも欠かせないことだ。しっかりと見つめ検証してゆくことが大切だと思う。
 
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and also...
posted by gillman at 16:05| Comment(8) | 新隠居主義 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年03月03日

麗しの国 トルコ

麗しの国 トルコ
 
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 ■ 旅 1

 美しい絵葉書に
 書くことがない
 私はいま ここにいる

 冷たいコーヒーがおいしい
 苺の入った菓子がおいしい
 町を流れる河の名はなんだったろう
 あんなにゆるやかに

 ここにいま 私はいる
 ほんとうにここにいるから
 ここにいるような気がしないだけ

 記憶の中でなら
 話すこともできるのに
 いまはただここに
 私はいる

   (谷川俊太郎 詩集『旅』より)
 

 トルコ・シリア大地震は犠牲者の数が今も増え続けている。同じ地震国として他人事ではない惨状に心を痛めている。ぼくがトルコを旅したのはもう十年以上も前。

 その間に世界もそしてトルコ自身の状況も大きく変わってしまった。旅した外国の中ではトルコは写真を撮るのがとても楽しかった国の一つだ。ぼくの中では今でもトルコは麗しの国のままなのだけれど…。
 
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 イスタンブールの夜明け/イスタンブールの下町のホテルに泊まった。朝、ホテルの部屋の窓から明けてゆく街並みを眺める。夜明け前の張りつめた蒼い空気がゆっくりとその青さを失い始める頃、街が動き出す。目覚めた街の音の遥か向こうにモスクの尖塔が二本見える。明けてゆく異国の朝。
 

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 モード雑誌のように/ユルギャップの巨大な一枚岩の上に立っていた時、突然美女の一団がにぎやかに登場。岩の天辺で一斉に風景の写真を撮り始めた。なんか、モード雑誌のヴォーグかなんかの表紙をみているような光景。一通り写真を撮ると美女たちは一陣の爽やかな風のように去っていった。
 

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 Turkish smile/巨大なドームを持つモスクのアヤソフィア寺院見学者の列にトルコの生徒達の一団も並んでいた。ワイワイガヤガヤと楽しそう。こんにちは、声を掛けると皆で大騒ぎ。こぼれんばかりの笑顔が嬉しかった。あれから十余年、この子たちももうすっかり大人になっているに違いない。今ごろ何をしているのだろうか。
 

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 白いハネムーン/パムッカレの純白の崖には多くの温泉が湧き出ている。水着を着てバスタブのようにお湯のたまった窪みで湯あみしている人もいる。殆どがロシアからの観光客のようだ。新婚らしい一組のカップルが幸せそうに写真を撮っていた姿が印象的だった。
 

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 奇岩帯/ゼミ渓谷には様々な奇岩があってまるで地球ではない他の惑星に来たよう。それもそのはず、ここはスターウォーズの撮影にも使われたことで有名だけれど、一方ここには以前日本人の女子大生が強盗に襲われ殺されたという忌まわしい記憶も残っている。


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posted by gillman at 14:28| Comment(9) | NOSTALGIA | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする