2023年04月09日

Manholerあるいは蓋フェチ

Manholerあるいは蓋フェチ
 
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 マンホール愛好家のことを最近はManholer(マンホーラー)もしくは蓋フェチとか蓋バカ、蓋女(フタジョ)なるものまで出現しているらしい。以前だったらマンホールを愛好するという事自体「なんで?」という奇異な目で、新種のオタクを見るような眼差しを感じた。

 ぼくは二十年くらい前から、国内外を旅行した時はその町々のマンホールを写真に撮っていたのだけれど、その度に一緒に行った人間や周りの人から何を撮っているのかと訝られた。そんな感じだったから撮った写真は殆ど他人にも見せないで自分一人で酒でも飲みながら悦に入っていたのだが…。

 それが今ではインスタグラムなどのSNSではマンホール専門のアカウントが山ほどある。日本ばかりでなく世界中のマンホールが載っているけれど、その中でも最近は日本のカラーマンホールが目を引く。ご当地の風景や風物詩だけでなくアニメや漫画のデザインまである。各自治体もマンホールカードなどを作りそれを集めるのがまたマンホーラーの楽しみでもあるようだ。

 ぼくの住んでいる街にもそこここにカラーマンホールがあって、日本でもカラーマンホールの導入が早い方だった。でもぼくはあまりカラーマンホールには拘らない。というかもっと生活の中に溶け込んだデザインや歴史的要素みたいなものに魅力を感じる。

 考えてみるとぼくが最初にマンホールに魅せられたのはドレスデンなどドイツの歴史的な街並みの石畳に囲まれたマンホールの美しさだった。大抵がその街の紋章が鋳鉄に彫り込まれ、それが時間とともにいい具合にすり減っている。(2枚目の写真)

 もちろんマンホールにはもともと期待される大事な役割があって、まずはそれを満たしてからの話なのだけれどその最たるものがその丸い形に現れている。中には四角いものもあるけれど、蓋の部分が穴の中に落ちないということを第一に考えれば丸い必要がある。またman-holeというように人が入れる穴でなければならないので丸い方が入りやすいということもある。

 さらに下水などが豪雨などでオーバーフローした時にマンホールの蓋が飛ばないように水を逃がす機能も必要だ。そこら辺の機能は昔のより今のマンホールの方が良くできている。下の3枚目の写真はぼくの好きなドイツのバンベルクの特徴的なマンホールで石も使ったデザインが素敵だし水を通す穴もちゃんと開いている。

 マンホールは時の流れも教えてくれることもある。バルト三国のラトビアの首都リガにはソ連時代のマンホールが結構残っていてそれが今でも使われている。(下のマンホールリスト写真の2枚目の「K」の彫られているマンホール) またバルト三国のエストニアに行くとフィンランド製のマンホールが多く、ここはある意味ではもう北欧経済圏なんだなぁという感じもする。

 最初の写真はリスボンの裏町で撮ったマンホールの写真なのだけれど、サンダルを履いた太っちょのおばさんの足元と何気に可愛いマンホールの模様のアンバランスが楽しくて思わず撮った。生活の中のマンホールという雰囲気が好い。ぼくはマンホールカードを集めるような熱心なマンホーラーではないけれど、これからも素敵な蓋と出会えるのを楽しみにしている。

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posted by gillman at 15:25| Comment(11) | 新隠居主義 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
外国の都市のマンホールは、歴史を感じさせます。
マンホールだけでなく、人の足が映っているのもいいですね。
日本のカラーマンホールはデザインがよくて
全体がデザインされたマークのようです。
私は、子供の頃のメンコを連想したりします。
Posted by そらへい at 2023年04月10日 21:14
そンア言葉が生まれるのもわかる気がします。足元に目が行くのはいいですね。下から2枚目のが好きです。
Posted by JUNKO at 2023年04月10日 22:11
友人がマンホールにICチップを埋め込む仕事をしています。
震災(津波)時その殆どが流され、何処のものだか全く分からなくなるそうで、位置データを入れたICを埋め込む事で素早く元に戻せるよう改善(上水下水等でサイズが違うそうな)震災後、道が穴だらけでは危険ですからね。

海外のマンホール、私も面白いのがあると撮る様にしています。
https://987.blog.ss-blog.jp/2019-10-26
Posted by gop at 2023年04月11日 08:02
マンホールは水の流れだけじゃなく、NTTの通信網や東京ガスの点検孔だったりするので、地下にどんなネットワークが張り巡らされているのかと想像するのが楽しいです。
NTTのマンホールの蓋はTのアルファベットを組み合わせた模様が多いのですが、昔のは電電公社のマークで、作られた年代を感じます。
マンホール式になっている地下埋設の防火水槽の蓋も容量が書いてあって、その数字の大きいのに出会うと訳も無くワクワクします。
Posted by 親知らず at 2023年04月11日 08:17
マンホーラーの語まであるんですね。
確かにマンホールの意匠は面白い。
Posted by 夏炉冬扇 at 2023年04月11日 08:39
ご存知かと思いますが、横浜には箱根駅伝を描いたものがあります。
マンホールで気に入らないのは、おすい(汚水)と書いてあるものです。
もう少し綺麗さを表現してもいいのではと思っています。
Posted by 斗夢 at 2023年04月11日 20:16
あ、わたしもマンホールのデザイン好きで、気が付くと写真に撮っています。
いろいろなデザインがあって愉しいです。
...が、最近は装飾過多かなあ、というものもあったりして、気になります。
Posted by ナツパパ at 2023年04月12日 12:01
こんばんは。
マンホーラーという言葉があるのは知りませんでした。
こうしてまとめて見てみると、なかなかいいデザインのものが多いですね。面白いと思います。
Posted by coco030705 at 2023年04月13日 00:27
この前、たまたまテレビでやっていて、随分とメジャーな趣味に
なってきているようですね^^
マンホールだけでなく、こういう人の姿が入っているのも
なかなか良いなぁと思います
周りの道路との調和とか、撮り方によって益々深い世界になりそうですね
Posted by rannyan at 2023年04月15日 14:20
今まで国内は気が付くと撮り、マンホールカードも数枚持っています。
海外では上ばかり見ていたのでしょうか。
まったくマンホールの蓋を撮っていませんでした。
マンホールの蓋を撮りにまた海外へ出たいものです。
Posted by SWEET at 2023年04月15日 22:35
マンホールの蓋は気になる存在です。地元の役所の宣伝にもなりますからね~
Posted by katakiyo at 2023年04月19日 19:04
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