2025年04月19日

これがさいごの…

これがさいごの…

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 パソコンを新しくした。車や大型家電製品など、買い替えるのにちょっと決心がいるようなものを買うとき「そろそろ、これがさいごの〇〇になるかもな…」というフレーズが頭をよぎるようになったのは、考えてみたら60歳過ぎくらいからだろうか。つまり頭の中でこれから買おうとするものと、自分の寿命を天秤にかけて「コイツとオレとどちらが先にいくか?」なんて。

 今までのパソコンは結局13年くらい使っていて、どこと言って不満もなかったのだけれど…。それでもどうやらWindows11そしてその後に控えているwindows12にはスペック的についていけないらしい。生涯付き合う最後のパソコンと思っていたヤツに「お先に~」と言われたみたいな気持ち。

 で、今度こそと思ってシステムに詳しい友人に当分もちそうなスペックのものを選んでもらったのだけれど、以前と同じようなことができるレベルまでもってゆくのに一苦労。彼の手を借りて、システムの移行だの、サブスクやアプリのアカウントの変更などは終わったけど、他にも今までのアプリのWin11下での動作確認や慣れ親しんだアプリの設定項目の再設定等などやるべき事が山積み。

 ぼくはパソコンを道具としてみているから、パソコンを使って何かをするのは昔から好きだけど、中をいじったりシステム的に使用環境を設定したりするのは詳しくもないし、特に最近は面倒に感じることも多い。懸命に作業する脇でハルがあくびをしながら「早く終わらせろよ~」と退屈そう。かまってもらえないのが嫌らしい。「もうちょっと…だよ」

 でも、大体だなぁ、お前を里子に引き受ける時もずいぶん考えたんだぞ。ハルとカミさんとオレのどちらが長生きするかって。これが最後の猫だねってカミさんと確認しあって。一応なんかの時に代わりに飼ってくれる目途は立ててあるけど…。

 車もそうだし、冷蔵庫もエアコンも洗濯機も、と考えながら…。なのに最近の家電製品なんかは10年位しかもちませんって堂々と開き直ってる。ぼくのスピーカーなんか50年以上も使っているのに今も現役。昔の製品は偉いなぁ。まぁ、これからはモノを減らしてシンプルな生活にしてゆけということかな。

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2025年03月15日

週末シェフの憂うつ

週末シェフの憂うつ

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 数年前の年末にカミさんが外出先で転倒して腕を骨折してしまい家事が出来なくなってしまった。すぐ目の前に迫っている新年のおせち料理の準備もできなくなって急遽ぼくがカミさんの指示を受けながら作ることになった。

 以来慣れない料理で食事の準備をすることになって試行錯誤していたが、半年くらいで幸いカミさんの腕も何とか料理できるまでに回復したので元に戻しても良かったのだけれど、折角料理するという事に慣れてきたので週末の晩飯だけでも作ろうというようになり、週末シェフの誕生となった。

 メニューはカミさんに教わる他にもテレビの料理番組やグルメ関連のバラエティ番組、はたまたYouTubeや料理アプリのクックパッドやデリッシュキッンなど意外と料理に関する情報が身の回りにはあるものだ。

 手順や段取りがまだ手馴れていないのか初めてのレシピで作るのはちょっと緊張する。一度はレシピ通りやってから自分なりのアレンジをしたいなぁ、とは思うのだけれど、脇で見ているカミさんに「これくらいで良いのよ…」とか「それじゃ、〇〇だわよ…」とか言われるとドキッとする。

 やってみて実感するのだけれど、一日三回の食事、それを毎日料理するという事は大変なことだなぁ。料理と一言でいうけど、そこには家族の好みとか、季節の旬とか、家族のための栄養や成人病への配慮、もちろん食中毒なんかの衛生面も大事だしそれに何と言っても家計との相談事でもある。

 それをカミさんはぼくや同居していた両親のために50年近くもやっていたのだから頭が下がる。ぼくは新しいメニューを作るたびに写真を撮って記録しているのだが、それももう250種類以上になった。それでもたった週二回の晩飯のためにいろいろ悩んでいる。ましてや冷蔵庫にある有り合わせの材料で…なんてまだまだ。週末シェフの悩みはつづく。

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2025年02月24日

Cover Story

Cover Story 蓋の話


DresdenDSC03350.jpgDresdenのマンホールとマンホールのある「君主の行列」の通り
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 普通Cover Story(カバーストーリー)と言えば、雑誌の表紙にまつわる特集記事でその時のcover は表紙のことを指している。Cover Storyにはもう一つ意味があって、辻褄を合わせるための作り話という意味もあるらしい。つまり嘘をcoverするための作り話という事だ。でもここではcoverは「蓋」つまりマンホールの蓋の話というつもりで、もちろん英語にはそんな表現はないが…。要は蓋の話(Cover Story)である。英語にそんな意味はないと言われてしまえば確かに「身も蓋もない」話ではある。

 ぼくがいつ頃からマンホールに、特にマンホールのデザインに興味を持つようになったのかはよく覚えていないが、今住んでいる近くに以前はカラーマンホールのメッカといわれて当時は珍しかったカラーマンホールが多数設置されている場所があることやヨーロッパ、特にドイツで格調高いマンホールに出合えたことがきっかけかもしれない。

 例えば旧東ドイツのDresden (ドレスデン)で出会ったマンホール。ドイツには街の紋章が入った蓋が結構あってぼくはそれが気に入っているのだけれど、それは州立歌劇場のゼンパーから石畳の道を川に向かって下った所にあり、古い紋章が石畳とマッチして渋い雰囲気だ。蓋の刻印を見るとアイゼンハマー社(Eisenhammer Dresden)の製品であることがわかるが、この会社はソビエト時代以前から東ドイツで操業していた工場で、1945年に工場は一旦ソビエトによって解体されたけれど、1960年にロシアの技術提供で再建されたらしい。

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kanalfinger-gr.jpg映画「第三の男」より


 その蓋の縁には国際基準の欧州のマンホール規格(1994年から)であるEN124の刻印があり同時にその元となったドイツ工業規格のDINの番号も表示されていることから、その過渡期に製作されたものと推理できる。蓋に刻まれた情報を読み解くのも楽しみの一つだ。足元にあって普段はあまり注目されないマンホールだけど、社会を支える機能もしっかりとはたしている。そのために決められた性能基準も国によって、また時代によっても異なるしデザインも特に東ヨーロッパでは激動した歴史の証人になっている場合もある。「第三の男」や「ソハの地下水道」などの映画にだって登場する。

 以前は旅先などで立ち止まってマンホールの写真を撮っていると変な目で訝し気にみられたけれど、最近はManholer(マンホーラー)なる名前もついて蓋フェチが増えたせいかそういうことは少なくなった。できればこれからも旅先などで素敵なカバーに出合いたいと願っている。
という訳で今まで出会った素敵な蓋の面々をこれからもサイドバーで折に触れてCover Storyとして少しづつ紹介してゆきたい。なんと地味な企画w。


竹ノ塚IMG_7749.JPG竹ノ塚/足立区とベルモント市との友好都市記念マンホール

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*普段はマンホールなど足元の世界には殆どの人が関心もないと思いますが、先般の八潮での大規模な道路陥没のような事態が起きると、ぼくらの足元で今どんなことが起きているか関心を持たざるを得ないと思います。当たり前の世界、当たり前の日常が何に支えられているか、マンホールへの関心を端緒にぼくも考えるようになりました。


and also...


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2025年02月20日

キーンさんの心に残る言葉...

キーンさんの心に残る言葉...

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 2月24日でドナルド・キーンさんが亡くなって丸六年になる。キーンさんはその著「日本人の質問」の中でこう言っている。日本人は初対面の外国人に日本料理のこれは食べられるかとかよく聞くが「…口に合わないものを外国人に食べさせたくないと思うのは、日本人の親切心のあらわれと思われるが、その裏には"日本の特殊性"という意識が潜在している…」と日本人の特殊主義のようなものを見抜いている。

 例えば「日本語は難しいでしょ」と言うが、世界には東欧系の言葉のように難しい言語は沢山あるのだけれど、本当の日本語は外国人には無理だと思っている。歌舞伎にしたって、能にしたって会場で外国人を見かけると何の根拠もなしに「わかるのかしら…」なんて思ったりして。

 もちろんそんなことはぼくら日本人がドイツのバイロイト音楽祭に行けば、日本人にワグナーの音楽が分かるのか、みたいな反応には会うので言わば「文化の血の驕り」みたいなのはどこの世界にもあるのだけれど、それが日本には強いように思う。この「特殊主義」みたいなものは民族のアイデンティティとは少し違って、とにかく日本文化の多方面で自分たちは特殊で他からは中々理解されにくいという信仰みたいなものがはびこっているような気がする。

 例えばドイツで言えば勿論ドイツなりのアイデンティティはあっても、その底流に西欧文明というものへの心理的なしっかりとした親和感みたいなものがあるのだけれど、それでは日本に中国文明に対するそういった親和感が今あるかというと、それは中々素直に認めたがらない心理が働いているらしい。難しいことはよく分からないけど、どうもそうなったのは日清戦争以降で、それ以前は文化人たるもの教養の基本はヨーロッパ人にとってのラテン語のように中国文化だった。(逆に日本文化は中国文化の亜流だと自虐的に言う日本人もいるが、それにもキーンさんは異をとなえているが…)

 そこらへんはキーンさんも「日本人の美意識」の中で少し触れている。さらに日本文化の特殊性ということについてキーンさんはそれを認めつつも、日本人が世界と分かり合える道筋を「特殊性の中にある普遍性」という言葉を示してぼくらに勇気を与えてくれているので、少し長いけれど引用をしておきたい。それはぼくの生涯の珠玉の言葉となっている。

…日本の全てが西洋を逆さまにしていると書きたがる旅行者は現在でもいるし、一方で日本の特殊性を喜ぶ日本人も少なくない。
 が、私の生涯の仕事は、まさにそれとは反対の方向にある。日本文学の特殊性--俳句のような短詩形や幽玄、「もののあはれ」等の特徴を十分に意識しているつもりだが、その中に何かの普遍性を感じなかったら、欧米人の心に訴えることができないと思っているので、いつも「特殊性の中にある普遍性」を探求している。

 日本文学の特殊性は決して否定できない。他国の文学と変わらなかったら、翻訳する価値がないだろう。日本料理についても同じ事が言える。中華料理や洋食と違うからこそ、海外において日本料理がはやっている。が、いくら珍しくても、万人の口に合うようなおいしさがなければ、長くは流行しない。納豆、このわた、鮒鮨などは日本料理の粋かも知れないが、日本料理はおいしいと言う時、もっと普遍性のある食べ物を指している。」 (日本人の質問)


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 *キーンさんと親交のあったアメリカのタフツ大学のチャールズ・イノウエ教授はこう述べています。「…キーンさんはずっと日本のよいところを語ってきたわけなんですけれども、いまになって、もう少し、悪いところも言わなければならないけれど、アメリカ人として言うのはつらくて、できないと。愛する日本を外国人として批判するのではなく、日本人として苦言を呈したかったんです」
それに対してキーンさんは…

「あなたが言うように、もっと伝わるようにやれればよいのだけど、私が懸念しているのは、日本人は私がいかに日本を愛しているかを語ったときしか、耳を傾けてくれないことだ」(2014年1月14日/チャールズ・イノウエ教授談/NHK サイカルjournalより) 耳の痛い話です。

posted by gillman at 14:13| Comment(6) | 新隠居主義 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年02月14日

お引越しはしたのだが…

お引越しはしたのだが…

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使い慣れたソネブロが3月でなくなるというので、どうしようか考えあぐねていたけれどブログを書くことがもう二十年来生活の一部になっているので移行して続けることにした。本日移行作業をしたけれど「以後旧ソネブロで新規記事を載せない」というところにポチッとしたら、もうソネブロも見られずいきなりSeesaaに。

何だかお笑いの「ヒ~ハ~!」みたいに「シ~サ~!」にとんでしまった。まだレイアウトをはじめとして使い勝手が分からないので今日から試行錯誤だなぁ。気に入っていたサイドバーでのテキスト記事展開もできるのかどうか分からない。しばらくお見苦しい画面が続くかもしれませんがご容赦を…。心機一転のつもりで…。

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posted by gillman at 15:48| Comment(22) | 新隠居主義 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする